スノーピークのブランディング

2021-11-21

事業概観

2020年12月期有価証券報告書 と同じ期の ビジネスリポート を参考にまとめました。

2014年12月にマザーズに上場し、2015年12月に東証一部に指定替えをしたスノーピークは、アウトドア用品の販売をメインに事業を展開しています。

アウトドア用品の販売が 8 割を占める売上高は右肩上がりです (グラフはビジネスリポートから抜粋)。ちなみに2021年12月期第3四半期の決算時に発表された2021年12月期の売上高予想は 25400 百万円でした。

スノーピークの売上高

新潟県や北海道にキャンプ場を有し、長野県や京都府には LAND STATION という体験型複合施設を構えています (詳しくは こちら)。

「人間性の回復と自然指向のライフバリューの提供。」 を社会的使命とし、自然と人、人と人をつなぐ場の提供をしている企業です。

PL

ブランド価値、認知、事業領域を着実に拡大させることで売上が向上し、それと同時にコスト構造が改善されています。

項目20172018201920202021(予)
原価50.246.745.944.7-
売上総利益49.853.354.155.3-
販管費51.245.747.746.4-
営業利益-1.47.66.58.914.4
純利益-2.64.03.06.39.3

※ 2021年12月期の数字は、第3四半期決算時の予想です。

ブランディング

調べてみると、スノーピークは様々な方法でブランドづくりに力を注いでいることがわかります。

アフターサービス

参考: Snow Peak After Service スノーピークのプロダクトには次の 3 つのアフターサービスが有料で受けられます。

  • オンライン修理受付
  • シュラフクリーニング
    • しなびた綿の復元
    • 撥水加工
  • 乾燥サービス
    • 濡れたテントなどの乾燥

Snow Peak Way

1998 年から毎年開催されている Snow Peak Way は、スノーピークの社員とユーザーが一緒にキャンプを楽しむイベントです。ユーザーの声を直接聞くことで製品づくりに活き、ユーザーはファンに進化します。それだけでなく、社員も自社製品の真のファンになる意味もあるんじゃないかと思いました。RSU などでインセンティブを付与するよりも、士気を上げるのには効果がありそうです。

衣食住働遊

衣食住のベースに加えて「働く」の領域にも進出し、「野遊び」というキーワードもあわせて「衣食住働遊」と定義しています。この全領域で価値提供をするため、アウトドア用品だけでなく、以下のような事業を展開しています。

  • アパレル
  • Snow Peak EAT
  • 家具
  • 地方創生コンサルティング

親子経営

2020年3年に山井太氏が会長に退き、娘の梨沙氏が社長に就任しました。ワンマン経営になりやすい点などがマイナス視される同族経営ですが、親子経営だからこそ理念が引き継がれやすいメリットはありそうです。

まとめ

今回は定量分析は少なめで、ブランド構築戦略を自分なりにまとめてみました。ソーシャルディスタンスが保てるレジャーとして人気が高まっているキャンプですが、地方創生という点でも注目です。今後は海外比率を高めていく方針のようで、まだまだ成長が期待できそうです。